トラックのタイヤ交換のタイミングは？

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トラックのタイヤはどのようなタイミングで交換するべきなのでしょうか。また、交換する際には、どういったタイヤを選ぶのが適切なのでしょう。安全を守るために、タイヤの交換について知っておくべき重要なポイントについてまとめます。

トラックのタイヤ交換タイミング

タイヤの使用期間は最長でも5年程度が寿命といわれます。これは空気圧を適性な状態で保ち、急発進や急ブレーキをできるだけしないよう注意して走行していたと仮定しての寿命です。また、運転する頻度が高ければ、もちろん、劣化は早まります。
そのため、タイヤの交換タイミングを知るには、年数よりもタイヤの状態を日頃からよくチェックしておくことが重要です。
目安となるのはスリップサインです。スリップサインはタイヤの表面のトレッド（溝）パターンの溝の奥にあり、タイヤの表面が1.6mm擦り減ると出てくるようになっています。スリップサインはタイヤの周上6箇所にあり、これが1ヶ所でも出てきたらそのタイヤはもう使用できません。このことは道路運送車両の保安基準で定められています。
つまり、タイヤはスリップサインが出て来る前に交換が必要ということです。トラックを運転する前には必ずタイヤを点検し、スリップサインを確認しましょう。また、このとき、タイヤの側面もひびが入っていないかどうかチェックしてください。側面にひびが入っている場合もバーストの危険があります。

タイヤの交換時期の目安は一つではない

皆さんは自分のトラックのタイヤはどのくらいの目安で交換しているでしょうか？「タイヤを点検して溝がツルツルになりかけたら交換」と思っているドライバーも多いと思います。しかし、タイヤの交換時期の目安はタイヤの溝だけではありません。
タイヤの溝だけではなく、見た目のチェックや走行距離などいくつかの項目があるのです。

走行距離から考えるタイヤ交換の目安

まずは走行距離からタイヤ交換の目安を知る方法です。タイヤの溝の深さは一般的には約8mm。当然この深さは新品のタイヤです。また、スリップサインは溝が1.6mmになれば出て来ます。
タイヤメーカーや材質などにも差がありますが、通常1mmタイヤがすり減るためには約5,000km程度の走行距離が掛かります。つまり、溝の深さを測ると走行距離を導き出せることになります。溝の深さが5mmの場合は5,000km×3mmの摩耗で、15,000km走行したことが分かります。

走行距離以外のタイヤ交換の目安

使用年数

タイヤの使用年数も目安の一つです。「タイヤは溝があれば何年でも安全に走行できる」と考えているドライバーもいるかもしれません。しかし、タイヤには使用年数(食品では消費期限)があるのですが、一般的には溝の深さや走行距離で交換するので期限は記載されていません。
しかしながらタイヤにも消費期限が存在しており、4年～5年が目安です。ただ、安全に走行するには3年を目安に交換したほうが良いと言われています。
ちなみに。この場合はノーマルタイヤの耐久年数でスタッドレスタイヤは1年ごとに交換したほうが安全です。その理由は、スタッドレスタイヤは通常のタイヤよりも材質が柔らかく劣化が早くなるからです。

スリップサイン

スリップサインもタイヤ交換の目安です。スリップサインは新品タイヤでは確認が難しいとされています。「どれがスリップサインなのか確認できない」ドライバーもいるかもしれません。
実は、タイヤのスリップサインはタイヤの溝が減らないと確認しにくいです。タイヤの側面に△のマークがありますが、その延長線上周辺にタイヤのスリップサインが隠されているのです。タイヤの溝が減ると徐々に見えてきます。
スリップサインの場所に到達したらタイヤの溝の深さは1.6mm。その状態で走行するとハイドロプレーニング現象やバーストする危険があります。

タイヤの外観から分かる交換時期の目安

ここではタイヤの外観から分かる目安の交換時期を解説します。

ひび割れ

タイヤにひび割れが見つかったらタイヤ交換の目安となります。路面への設置部分やタイヤの側面にひび割れが起こると、ひび割れがさらに大きくなり走行中にバーストしてしまう危険性が高くなります。万が一バーストしなくてもタイヤ本来の性能や効果が発揮できず、スリップやタイヤが割れることも考えられるのです。

タイヤ側面の傷

タイヤ側面の傷にも注意しましょう。タイヤは路面に接している部分だけで車を支えているのではありません。タイヤ全体で路面からの衝撃を受けとめて車体を支えるように設計されているため、タイヤの側面の傷は致命的なダメージを与える可能性があります。
何らかの理由でタイヤの横をこすった時などに側面に傷が入ります。そのため、側面をぶつけてしまった時は注意して確認するようにしましょう。

偏摩耗

偏摩耗はタイヤの空気圧が低い状態で走行すると発生します。空気圧が低い状態で走行していてカーブを右左折すると、車の重さでタイヤが外側や内側に動いて本来は接地しない部分が摩耗することで起こる現象です。
タイヤは路面に設置する部分は丈夫にできていますが、側面は同じ強度で造られていません。偏摩耗していると、走行距離や溝の深さ関わらずバーストしてしまい大変危険です。

トラックのタイヤ交換を怠るリスク

トラックのタイヤの交換を怠って劣化が進んだタイヤのままでトラックを走行させることは、大変危険です。
タイヤは経年劣化するとひび割れが起こり、このひびがタイヤのバーストの原因になります。ひび、あるいはキズが入ったタイヤで高速走行を続けるとタイヤがたわんで負荷がかかり、ひびやキズ部分からいきなりタイヤが破裂して空気が抜けます。これがバーストですが、トラックのタイヤのバーストはたびたび悲惨な事故につながります。
トラックが走行困難に陥って周囲の走行車やガードレールに激突する、あるいはタイヤのバーストの衝撃で並走していた乗用車に被害を与えることもあります。タイヤの劣化や不具合は、ブレーキの故障と同じくらい危険なものだということをしっかり意識しておきましょう。

トラックのタイヤの選び方

トラックのタイヤのサイズを確認する

トラックのタイヤのサイズは、タイヤの側面に刻印してあります。
表記は「11R22.5 16PR」などとなっています。11はタイヤの幅で、インチで示されています。Rはラジアルタイヤという意味です。22.5は内径が22インチであることを示しています。そして16PRのPRはプライレーティングのことで、荷重指数を示しています。

トレッドパターンを選ぶ

タイヤ表面のトレッドパターンにも種類があります。
リブ型は良路（舗装路や高速道路）の走行に適したトレッドパターンで、小型トラックや乗用車に適しています。
ラグ型は悪路走行に適し、制動力や駆動力の強さに特徴があり、トラックによく使用されます。リブラグ型は良路でも悪路にも対応する複合型です。やはりトラックに適していて、通常はこれを選ぶのが良いでしょう。
もう一つ、ブロック型というのもありますが、これは通常、スノータイヤやスタッドレスタイヤに使用されます。
タイヤはトラックの中で、道路と直接接する唯一のパーツです。安全運転を遂行するため、また快適にドライビングするためにも、交換時期、選び方に十分な注意を払いましょう。